寄稿 All About The Rock
2010年2月8日 MTG【レガシー】 コメント (7)レガシーの《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》たるサイトを立ち上げようというお話が出て、光栄にもThe Rockに関する記事を書かせて貰えるということなので。
The Rockから離れて早1ヶ月、何故かその間別のデッキで勝ちまくったという裏切り者ですが、気合入れて書いてみよう。
※非常に長いと思うので、適宜編集して使ってください。
The Rockは緑、黒を主体として(多くの場合白を含む3色で)組まれるボードコントロールデッキです。
まずはオーソドックスなレシピをどうぞ。
少し古めですが(2009.May)非常に基本形に近いタイプです。
The Rockが誕生したのはテンペスト後期のエクステンデッドでした。
当時の名は「マルカ・デス」。
《スパイクの飼育係/Spike Feeder》や《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》などの器用なクリーチャーで場をコントロールし、《生ける屍/Living Death》でフィニッシュするというデッキでした。
今や使用するカードは変わってしまいましたが、大まかな動きは変わりません。
基本は、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《思考囲い/Thoughtseize》といった軽量の妨害カードで牽制しつつ、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》や《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》で場を固める。
そんな中で合間合間に《闇の腹心/Dark Confidant》や《永遠の証人/Eternal Witness》といったアドバンテージ行動を挟んで優位に試合を運びます。
最後は《破滅的な行為/Pernicious Deed》を上手く調節して盤面の圧倒的な優位を築き、ビートダウンしてしまおうというデッキです。
ただ、このデッキの面白い所は、カードがどれも器用なものばかりな為、上の王道にこだわらずとも様々な勝ち筋があるという点です。
例えば、《腹心》から次々とクロックを引きこんで殴り勝つ。
例えば、《ヴォルラスの要塞/Volrath’s Stronghold》で《永遠の証人/Eternal Witness》を回してビートダウンにハーフロックをかける。
例えば、名誉回復を使いまわして土地を割りまくる。
汎用性が高い上にカードパワーも高いので、色々な勝ち筋を引いたカードから作り出す事が出来ます。
よく使われるカードは、
・アタッカー
《タルモゴイフ/Tarmogoyf》:問答無用
《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》:鳥が殴る恐怖
《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》:殴ってよし、要塞持ってきてよし。
・アドバンテージ
《永遠の証人/Eternal Witness》:何度も飛ぶディード、蘇るタルモゴイフ…
《闇の腹心/Dark Confidant》:避雷針、でも生き延びたら勝ち
・マナ加速
《極楽鳥/Birds of Paradise》:セラピーのお供に
《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》:安定感の基本土地
《貴族の教主/Noble Hierarch》:お見合いタルモも突破する
・ライフゲイン
《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》:無人のDeed後を走る2点クロック
《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》:打点以外最強
・ボードコントロール
《名誉回復/Vindicate》:石の雨、恐怖、解呪、PWだって。
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》:最強単体除去
《破滅的な行為/Pernicious Deed》:利益の最大化を図れ
・ハンデス
《思考囲い/Thoughtseize》:大量の情報と若干のテンポをくれる
《陰謀団式療法/Cabal Therapy》:裏表で当てればそのまま勝ち
・潤滑油
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
などでしょうか。
その他にも、本当に様々なカードが選定されます。
構築の幅が最も広いデッキの一つではないでしょうか。
では、このデッキの得意な相手と苦手な相手はなんでしょうか。
得意なデッキ
Zoo, Goblinsのようなビート・デッキ
クロック・パーミッション
また、汎用性が高いデッキなのでメタ外デッキに負けない安定した強さが売りです。
苦手なデッキ
ANTなどのコンボ
Landstillなどの低速コントロール
CTG, Dragon Stompyのような封殺手段を持つデッキ
コンボの圧倒的速度や、青系の緩慢な動きは非常に厄介な相手となりますし、
インスタントタイミングで動けないデッキなのでキラーカードを対処できず敗北、ということもよくある話です。
その為、サイドボードにはそれらをへの対抗策
《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》
《根絶/Extirpate》
《クローサの掌握/Krosan Grip》
が積まれる事が非常に多いです。
スレッショルド最盛期にそれを食うデッキとして再興しましたが、
近年ではクロックパーミッションがCTGに取って変わられてしまったため勝ち残るのが非常に難しいデッキとなってしまいました。
その為、昨今のタイプは
《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》等を詰め込んだAggro Rock
Hymn to Tourach等を詰め込んだBGW Eva
《自然の秩序/Natural Order》をCTGへの回答として搭載したPro-Rock等
生き残る為に様々な試行錯誤が見られます。
The Rockは万能デッキです。
ハンデスを引きながら殴り続ければコンボにも勝てますし、
よくわからないカードも《名誉回復/Vindicate》で一撃です。
しかし、それが最大の弱点でもあります。
着々とコンボの下準備をする相手の目の前に《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》を投入するしかなかったり、
大量のゴブリンを目前に運命のトップデッキが《思考囲い/Thoughtseize》だったり、
何でも出来るこのデッキは自分をコントロールする事だけは不得手とします。
大味なデッキに見えますが、選択肢が非常に多い為、気付かないうちにプレイミスをしてしまって「なんか勝てない!」と言ってしまいがちなデッキです。
1枚1枚のカードパワーが高いので、適当にプレイしてもそれなりに強いのですが、今の状況を読んで正しいカードを正しくプレイする事が出来ればこのデッキの強さは何倍にも膨れ上がるでしょう。
本文以上。
これからもThe Rock OBとして見守っていきます。
The Rockから離れて早1ヶ月、何故かその間別のデッキで勝ちまくったという裏切り者ですが、気合入れて書いてみよう。
※非常に長いと思うので、適宜編集して使ってください。
The Rockは緑、黒を主体として(多くの場合白を含む3色で)組まれるボードコントロールデッキです。
まずはオーソドックスなレシピをどうぞ。
The Rock
creature [18]
4 Dark Confidant
4 Eternal Witness
3 Kitchen Finks
3 Loxodon Hierarch
4 Tarmogoyf
instant [4]
4 Swords to Plowshares
sorcery [8]
4 Thoughtseize
4 Vindicate
enchantment [4]
4 Pernicious Deed
artifact [3]
3 Sensei’s Divining Top
land [23]
3 Bayou
3 Forest
1 Plains
2 Polluted Delta
1 Savannah
3 Scrubland
2 Swamp
3 Treetop Village
1 Volrath’s Stronghold
4 Windswept Heath
60 cards
Sideboard:
4 Extirpate
4 Duress
1 Gaea’s Blessing
3 Engineered Plague
3 Tormod’s Crypt
15 cards
少し古めですが(2009.May)非常に基本形に近いタイプです。
The Rockが誕生したのはテンペスト後期のエクステンデッドでした。
当時の名は「マルカ・デス」。
《スパイクの飼育係/Spike Feeder》や《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》などの器用なクリーチャーで場をコントロールし、《生ける屍/Living Death》でフィニッシュするというデッキでした。
今や使用するカードは変わってしまいましたが、大まかな動きは変わりません。
基本は、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《思考囲い/Thoughtseize》といった軽量の妨害カードで牽制しつつ、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》や《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》で場を固める。
そんな中で合間合間に《闇の腹心/Dark Confidant》や《永遠の証人/Eternal Witness》といったアドバンテージ行動を挟んで優位に試合を運びます。
最後は《破滅的な行為/Pernicious Deed》を上手く調節して盤面の圧倒的な優位を築き、ビートダウンしてしまおうというデッキです。
ただ、このデッキの面白い所は、カードがどれも器用なものばかりな為、上の王道にこだわらずとも様々な勝ち筋があるという点です。
例えば、《腹心》から次々とクロックを引きこんで殴り勝つ。
例えば、《ヴォルラスの要塞/Volrath’s Stronghold》で《永遠の証人/Eternal Witness》を回してビートダウンにハーフロックをかける。
例えば、名誉回復を使いまわして土地を割りまくる。
汎用性が高い上にカードパワーも高いので、色々な勝ち筋を引いたカードから作り出す事が出来ます。
よく使われるカードは、
・アタッカー
《タルモゴイフ/Tarmogoyf》:問答無用
《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》:鳥が殴る恐怖
《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》:殴ってよし、要塞持ってきてよし。
・アドバンテージ
《永遠の証人/Eternal Witness》:何度も飛ぶディード、蘇るタルモゴイフ…
《闇の腹心/Dark Confidant》:避雷針、でも生き延びたら勝ち
・マナ加速
《極楽鳥/Birds of Paradise》:セラピーのお供に
《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》:安定感の基本土地
《貴族の教主/Noble Hierarch》:お見合いタルモも突破する
・ライフゲイン
《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》:無人のDeed後を走る2点クロック
《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》:打点以外最強
・ボードコントロール
《名誉回復/Vindicate》:石の雨、恐怖、解呪、PWだって。
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》:最強単体除去
《破滅的な行為/Pernicious Deed》:利益の最大化を図れ
・ハンデス
《思考囲い/Thoughtseize》:大量の情報と若干のテンポをくれる
《陰謀団式療法/Cabal Therapy》:裏表で当てればそのまま勝ち
・潤滑油
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
などでしょうか。
その他にも、本当に様々なカードが選定されます。
構築の幅が最も広いデッキの一つではないでしょうか。
では、このデッキの得意な相手と苦手な相手はなんでしょうか。
得意なデッキ
Zoo, Goblinsのようなビート・デッキ
クロック・パーミッション
また、汎用性が高いデッキなのでメタ外デッキに負けない安定した強さが売りです。
苦手なデッキ
ANTなどのコンボ
Landstillなどの低速コントロール
CTG, Dragon Stompyのような封殺手段を持つデッキ
コンボの圧倒的速度や、青系の緩慢な動きは非常に厄介な相手となりますし、
インスタントタイミングで動けないデッキなのでキラーカードを対処できず敗北、ということもよくある話です。
その為、サイドボードにはそれらをへの対抗策
《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》
《根絶/Extirpate》
《クローサの掌握/Krosan Grip》
が積まれる事が非常に多いです。
スレッショルド最盛期にそれを食うデッキとして再興しましたが、
近年ではクロックパーミッションがCTGに取って変わられてしまったため勝ち残るのが非常に難しいデッキとなってしまいました。
その為、昨今のタイプは
《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》等を詰め込んだAggro Rock
Hymn to Tourach等を詰め込んだBGW Eva
《自然の秩序/Natural Order》をCTGへの回答として搭載したPro-Rock等
生き残る為に様々な試行錯誤が見られます。
The Rockは万能デッキです。
ハンデスを引きながら殴り続ければコンボにも勝てますし、
よくわからないカードも《名誉回復/Vindicate》で一撃です。
しかし、それが最大の弱点でもあります。
着々とコンボの下準備をする相手の目の前に《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》を投入するしかなかったり、
大量のゴブリンを目前に運命のトップデッキが《思考囲い/Thoughtseize》だったり、
何でも出来るこのデッキは自分をコントロールする事だけは不得手とします。
大味なデッキに見えますが、選択肢が非常に多い為、気付かないうちにプレイミスをしてしまって「なんか勝てない!」と言ってしまいがちなデッキです。
1枚1枚のカードパワーが高いので、適当にプレイしてもそれなりに強いのですが、今の状況を読んで正しいカードを正しくプレイする事が出来ればこのデッキの強さは何倍にも膨れ上がるでしょう。
本文以上。
これからもThe Rock OBとして見守っていきます。
コメント
何これ?
eternalwitness.diarynote.jp/
発端から即対応頂けるなんて思っておらず、とても嬉しいです。
重ね重ねありがとうございました...! レシピも文面もほぼそのままの形で引用させて頂いてます。これからも至らない箇所等ありましたらご指南ください。感謝です。。。
信憑性については保証できませんが、ご参考まで。
>通りすがり
そう、かんけいないね
>K西さん
Pro-Rockはワンチャンあります。
レシピだとボブ型が多いようですが、個人的には《花の壁/Wall of Blossoms》の方がケタ違いに強いと思います。