博士の罰するアブザン、あるいはいかにして私はリリアナを使うのを辞めて…
何を愛せばいいのだろう。(クソ長邦題挨拶)
最近、といっても仕事にプライベートに大忙しで殆ど時間もないのだが、興味を抱いて調整しているPunishing Abzan.
そもそもP-Abzanって何さ?と思われる方の為に一応補足しておくと、その名の通り罰する火エンジンを搭載したアブザン・ミッドレンジのことである。
言うまでもなくフォーマットはレガシーである。
僕の記憶が正しければ最初に発生したのはGPリールだったはずで、一部のモッサリ・デッキ愛好家達の手で細々と使用され、最近だとSCG Somersetで堂々の優勝を果たした。
http://www.mtggoldfish.com/deck/347131#online
デッキの内容としては見ての通り
・《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》によるマナ加速
・《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》によるランドサーチ
・《罰する火/Punishing Fire》&《壌土からの生命/Life from the Loam》エンジン
を搭載したミッドレンジなのだが、これだけ見るとブン回りを排除して生物対策が効くようになった、つまり良いトコなしの土地単にも見える。
が、一概にそうという訳でもなく、差別化できる点は
・《虚空の杯/Chalice of the Void》
・《突然の衰微/Abrupt Decay》
の2点に尽きるだろう。
いずれも土地単が不得手とするコンボデッキや《相殺/Counterbalance》に対し効果覿面のカードであり、むしろこれを搭載する為に《輪作/Crop Rotation》ではなく《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》を使っていると言っても過言ではない。
実際に先日このデッキのほぼ完コピを使用してみたのだが、《虚空の杯/Chalice of the Void》はT1に通ろうものなら文字通り必殺の一撃であるし、《相殺/Counterbalance》に限らず面倒な置物やスピーディなクロックを排除する《突然の衰微/Abrupt Decay》も素晴らしい活躍だった。
デッキ自体ももっさり(3度目)しているように見えて環境に最適化されたものだと強く感じることが出来た…のだが、一点気に食わないところがある。
そう、それが《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》だ。
何故?
土地を縛りつつ手を増やす《壌土からの生命/Life from the Loam》とも、
プラス1のデメリットを相殺しつつマイナス2のお膳立てをする《罰する火/Punishing Fire》とも相性がいいのに、何故か?
…勘違いしてはいけない。ロームも火もそれ単体が強いだけなのだ。
はっきり言って《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》は今の環境ではプレイアブルではないとすら感じている。
第一に奇跡。
これは予てより《天使への願い/Entreat the Angels》での即死に対する回答に全くなっていないことから、奇跡に効きそうで効かないカードという評価だった。
最近は願いが減っているから…って、代わりに入っているのが何かは言うまでもあるまい。
第二にグリクシス・デルバー。
激しいマナ拘束、不確定カウンターの雨を掻い潜ってプレイするとそこにはエレメンタルトークンの群れが。
アンコウに触れる数少ない手段に見えるが、6/6以上の《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》でも同じことだ。
第三にANT。
3マナで、1枚ずつハンドを捨てさせるカード。
本当にこれがコンボに「蓋をする」カードと呼べるのか?
寧ろ相手の手札でダブった土地なんかを捨てられて、《冥府の教示者/Infernal Tutor》による瞬殺をフルタップで手助けするスーサイド・カードだ。
その他Tier 2にも左程有効とは言えず、今やこのカードはレガシーにおいてアンプレイアブルの烙印を押されるべきものだろう。
では表題に戻り、何を以てその穴を埋めるべきだろうか?
一つは、サーチ先があまり豊かとは言えない《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》の選択肢を増やす事だ。
具体的には
X=1でマナ加速・墓地対策が出来る《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》
X=2で単純な打点を稼ぐ《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
サイドから《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》や《再利用の賢者》を昇格させるのも悪くない。
もう一つは、追加の除去。
絶対に処理すべき《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》や、1枚では処理が追いつかない《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を打倒すべく、4枚目の《罰する火/Punishing Fire》を取る。
触りにくい大型の置物・生物に対抗する《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》。
火で追いつかない面展開を一気にリセットする《毒の濁流/Toxic Deluge》。
どれも一長一短あるが、役割のないリリアナよりは引いて嬉しい瞬間があるだろう。
更に最後に、追加の土地、《壌土からの生命/Life from the Loam》。
《壌土からの生命/Life from the Loam》は2枚引きたいカードではないが、出来れば引きたいカードではある。
これを3枚に増やすことで安定性を高めると共に、《暗黒の深部/Dark Depths》コンボを搭載することも可能になるかもしれない。
当たり前のように入っている、普通に強い、だが必要のないもの。
たまにはそんな疑いの目を向けて、ゼロから再構築してみるのもいいかもしれない。
何を愛せばいいのだろう。(クソ長邦題挨拶)
最近、といっても仕事にプライベートに大忙しで殆ど時間もないのだが、興味を抱いて調整しているPunishing Abzan.
そもそもP-Abzanって何さ?と思われる方の為に一応補足しておくと、その名の通り罰する火エンジンを搭載したアブザン・ミッドレンジのことである。
言うまでもなくフォーマットはレガシーである。
僕の記憶が正しければ最初に発生したのはGPリールだったはずで、一部のモッサリ・デッキ愛好家達の手で細々と使用され、最近だとSCG Somersetで堂々の優勝を果たした。
http://www.mtggoldfish.com/deck/347131#online
デッキの内容としては見ての通り
・《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》によるマナ加速
・《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》によるランドサーチ
・《罰する火/Punishing Fire》&《壌土からの生命/Life from the Loam》エンジン
を搭載したミッドレンジなのだが、これだけ見るとブン回りを排除して生物対策が効くようになった、つまり良いトコなしの土地単にも見える。
が、一概にそうという訳でもなく、差別化できる点は
・《虚空の杯/Chalice of the Void》
・《突然の衰微/Abrupt Decay》
の2点に尽きるだろう。
いずれも土地単が不得手とするコンボデッキや《相殺/Counterbalance》に対し効果覿面のカードであり、むしろこれを搭載する為に《輪作/Crop Rotation》ではなく《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》を使っていると言っても過言ではない。
実際に先日このデッキのほぼ完コピを使用してみたのだが、《虚空の杯/Chalice of the Void》はT1に通ろうものなら文字通り必殺の一撃であるし、《相殺/Counterbalance》に限らず面倒な置物やスピーディなクロックを排除する《突然の衰微/Abrupt Decay》も素晴らしい活躍だった。
デッキ自体ももっさり(3度目)しているように見えて環境に最適化されたものだと強く感じることが出来た…のだが、一点気に食わないところがある。
そう、それが《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》だ。
何故?
土地を縛りつつ手を増やす《壌土からの生命/Life from the Loam》とも、
プラス1のデメリットを相殺しつつマイナス2のお膳立てをする《罰する火/Punishing Fire》とも相性がいいのに、何故か?
…勘違いしてはいけない。ロームも火もそれ単体が強いだけなのだ。
はっきり言って《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》は今の環境ではプレイアブルではないとすら感じている。
第一に奇跡。
これは予てより《天使への願い/Entreat the Angels》での即死に対する回答に全くなっていないことから、奇跡に効きそうで効かないカードという評価だった。
最近は願いが減っているから…って、代わりに入っているのが何かは言うまでもあるまい。
第二にグリクシス・デルバー。
激しいマナ拘束、不確定カウンターの雨を掻い潜ってプレイするとそこにはエレメンタルトークンの群れが。
アンコウに触れる数少ない手段に見えるが、6/6以上の《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》でも同じことだ。
第三にANT。
3マナで、1枚ずつハンドを捨てさせるカード。
本当にこれがコンボに「蓋をする」カードと呼べるのか?
寧ろ相手の手札でダブった土地なんかを捨てられて、《冥府の教示者/Infernal Tutor》による瞬殺をフルタップで手助けするスーサイド・カードだ。
その他Tier 2にも左程有効とは言えず、今やこのカードはレガシーにおいてアンプレイアブルの烙印を押されるべきものだろう。
では表題に戻り、何を以てその穴を埋めるべきだろうか?
一つは、サーチ先があまり豊かとは言えない《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》の選択肢を増やす事だ。
具体的には
X=1でマナ加速・墓地対策が出来る《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》
X=2で単純な打点を稼ぐ《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
サイドから《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》や《再利用の賢者》を昇格させるのも悪くない。
もう一つは、追加の除去。
絶対に処理すべき《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》や、1枚では処理が追いつかない《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を打倒すべく、4枚目の《罰する火/Punishing Fire》を取る。
触りにくい大型の置物・生物に対抗する《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》。
火で追いつかない面展開を一気にリセットする《毒の濁流/Toxic Deluge》。
どれも一長一短あるが、役割のないリリアナよりは引いて嬉しい瞬間があるだろう。
更に最後に、追加の土地、《壌土からの生命/Life from the Loam》。
《壌土からの生命/Life from the Loam》は2枚引きたいカードではないが、出来れば引きたいカードではある。
これを3枚に増やすことで安定性を高めると共に、《暗黒の深部/Dark Depths》コンボを搭載することも可能になるかもしれない。
当たり前のように入っている、普通に強い、だが必要のないもの。
たまにはそんな疑いの目を向けて、ゼロから再構築してみるのもいいかもしれない。
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